2011年6月17日金曜日
名もなき歌手
ふとした時に 思い出す
ミラノの路面電車の中で
歌っていた 美声の 名もなき女歌手
アコーディオンの伴奏で
お国の歌をうたっていた
歌いおわると 寂しそうな顔で
コップを片手に 席を巡っていた
ある日 小さい路地で
野菜の木箱に腰かけて
あの女歌手が さめざめと 泣いていた
その傍らで ただじっと立ちすくむ
アコーディオン弾き
あの姿 声 街の匂い
ふとしたときに 思い出す
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